風が吹くとき - ヨーロッパの再生可能エネルギー

今年の6月16日日曜日は、明るい日差しとかなりの海上の海風で、暑すぎないことではなく寒すぎないことでドイツ中で「3びきのくま」に出てくるようなちょうど良い日だった。ドイツの太陽光パネルと風力発電にはちょうどよく、そのピークでゆっくりとした週末にドイツの電力の記録的な60%を発電した。しかし、フランスとベルギーもまた、簡単に止めることのできない原子力発電をたくさん持っていた。だから、数時間の間、電力会社はその余剰電力を受け取るよう消費者に支払わなければならなかった。

負の卸売価格は、特にEnergiewendeとして知られる過程で原子力発電から去る強制行進中のドイツを中心にヨーロッパ諸国が再生可能エネルギーに向かうにつれて、より一般的になっている。時にはドイツは多すぎるほどに発電し、またある時にはそれは国境をまたいだフランスの原子力発電所から電力を吸い取らなければならない。そしてドイツの大臣たちは、気候が涼しく、日差しがなく、風が吹かないときに、停電の危険について依然として心配している。

ポーランドやチェコ共和国のような隣国は、ドイツからの電力需要急増が彼らの電線を混乱させていると不平を言う。ヨーロッパ中での補助金を受けた再生可能エネルギーの奇妙な帰結は、今ではバックアップ電源を確保するために化石燃料による発電能力を維持するために電力会社に支払いたいと思っている政府もある、ということだ。より異常なことに、石炭は安くガス市場は流動的とは言い難く炭素排出制度が壊れているので、よりきれいで柔軟なガスの代わりにより大きく汚染する石炭を燃やしている。

更なる奇妙なことは、ドイツはヨーロッパの中で最も安い電気の卸売価格しか支払っていないのに、最も高い小売価格の部類に入るものに苦しんでいるのだ。消費者はすべての種類のネットワーク費用、税金、そして再生可能エネルギーを補助するために絶えず増す料金といったすべての種類の負担にさらされている。そして彼らは大口利用者をいくつかの料金から除外して支援する。政治家は今月の総選挙前にその混乱について議論するが、キリスト教民主同盟の首相アンゲラ・メルケルも、社会民主党の挑戦者ペール・シュタインブリュックも、Energiewendeを巻き戻したいと思っていない。

真の問題は、どちらの指導者も十分に大きく考えていないということだ。エネルギー政策はヨーロッパ全体でもっともよく解決できる。大陸をまたいでスペインを見てみる。そこもまた太陽と風からの豊富な再生可能エネルギーを持っているので、補助金がすでに心配なその公的債務に大きな穴をあけている。ドイツとは違って、スペインはフランスとの連結がよくないので、この恵み物の多くを他国に売ることができない。もし電線が大きな統合されたエネルギー市場で正しくつながっていたら、山と谷は平坦化されそうだったろうに。ドイツに太陽光パネルで灰色のじゅうたんを敷くよりも、日の当たるギリシャに設置する方がよいだろう。

越境協力の利益は、ヨーロッパ連合の発足のずっと前から認識されていた。1920年代に、フランスとイタリアは、余剰のエネルギーがアルペンの貯蔵所に貯められるように、スイスとの電気取引を始めた。しかし、完全な統合は遠く離れている。東ヨーロッパは、特に旧ソ連諸国で、依然として「エネルギーの孤島」を持っており、ロシアからの恐喝に脆弱だ。現在EUの持ち回り議長国を務めているリトアニアは、ロシア国境がヴィリニュスから少し走ったところにあるのに、天然ガスにドイツよりも多く支払っている。エネルギー問題ほどには、乱発されるスローガンの「更なるヨーロッパ」はめったに意味をなさず、より多くの問題を解決することもない。適切に行われれば、統合されたエネルギー市場は、再生可能エネルギーへの変換を好み、安全保障を強化し、より安いエネルギーを促進するかもしれない。電線網が広がれば広がるほど、再生可能エネルギーの管理や安定した電力を供給するための柔軟なガス発電所の運営はより簡単になるだろう。そしてもし電線が「スマート」ならば、消費者は電気が安いときにそれを使うような動機づけをより簡単に与えらうるだろう。

もしヨーロッパが単一のエネルギー地域として運営されれば、ロシアが個別の国をけん制するのも難しくなるだろう。ロシアの大統領、ウラジーミル・プーチンが、ガスプロムのような大企業に「切り離し」、競合相手にパイプラインを開放し、EUの競争当局調査に従うよう強いる、ヨーロッパのガス市場の自由化を嫌うのは何の不思議もない。さらに、さらなる自由化は、価格を引き下げるだろう。欧州委員会は、完全に統合されたガスと電気市場は、年に650億ユーロ(約860億ドル)もの節約になりうると考えている。
 

昨日の夢

ヨーロッパの指導者たちは、かつて彼らが低炭素の時代に向かう道を主導していると考えていた。いま、彼らはエネルギー費用についてより心配し、アメリカの安いシェールガス革命に取り残されている。5月の首脳会談で、ヨーロッパの指導者たちは、その委員会によれば2005-12年の間に産業向けガス価格はアメリカで66%下がったがヨーロッパでは35%上がったと聞いてショックを受けた。これは、エネルギーに飢えたヨーロッパの工場がアメリカに立ち去るという心配の中で、ヨーロッパの競争力を脅かす。アメリカが今後数十年間エネルギーの純輸出国になると予想される一方で、ヨーロッパの外国依存だけが増す。

しかし、ヨーロッパの指導者たちはエネルギー市場開発にリップサーヴィスをするだけだ。それは、必要な時にエネルギー供給を外国に依存し、それをいかに生産するかについて目をつぶることを意味するだろう。このいくらかはすでに起こっている。困難なのは、利益にもかかわらず、より深い市場は勝者と敗者を生み出し、高価な越境社会資本を必要とするだろうということだ。たぶん、最も手におえないのは、国による動機づけの増大する網だ。電力会社はさらに多くのエネルギーを卸売市場で取引するかもしれないが、納税者は外国人に補助金を出したいとは思わない。

多くの他のことのように、多くはドイツ次第だ。それはヨーロッパ最大のエネルギー消費国で、再生可能エネルギーの最大の生産国だ。その電線網は、いかなる更新された汎ヨーロッパネットワークでも中心になるだろう。メルケル女史と彼女の後継者は、ガスと電気がヨーロッパの中でどこをどのようにして流れるのか決めるだろう。

Charlemagne欄より
 

発行日: 
2013-09-07
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